松です。今度はGA1で思いついたネタを・・・

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 ある朝の出来事

「・・・何で?」
 ある朝、自室で目を覚ましたフォルテ・シュトーレンは、思わずそうつぶや
いていた。無理もない、起きた直後に、
「すー、すー」
 妙に満ち足りた表情で安らかな寝息をたてる蘭花(ランファ)・フランボワー
ズの姿が目の前にあっては。
「しかも、何でかこいつ裸だし・・・って、あたしもか」
 ボブカットの赤毛をかきまわしながら、現状を確認し、ため息をつく。直後、
その手が止まった。
(ちょっと待て)
 内心でだけ、自身に突っ込んだ。
 昨日の夜、ランファを自室に入れたのは覚えている。行き付けの屋台で
(ジュースしか飲んでいないハズなのに)酔った彼女を諸事情により引き取り
ざるおえなくなったからだ。だが、同じベッドで寝た覚えはないし、ましてや
裸になった覚えなど絶対になかった。
(なのに何で裸?)
 そんな疑問を思った直後、嫌な予感が脳裏をよぎりフォルテは硬直した。
(まさか・・・)
 そう思いながら、自分の身体を見回す。ついでランファの身体も観察する。
特に気になる痕跡(ぶっちゃけた話、キスマークの類)はない。
 この事実にフォルテはほっとした。考えられる最悪の事態、つまり一夜の過
ちを犯した、という事態は避けられているらしい。
 とはいえ、まだ問題は残っている。無論、目の前で眠るランファの事だ。
 思い込んだら一直線なこの純情娘が、今の状況で起きだしたら、どんな誤解
と暴走をするか、フォルテとしてはあまり考えたくない。
 何しろ、その場で大騒ぎになるという程度ですめば恩の字。下手をすれば
「フォルテさんなら、女の人でもいい」と迫ってくる可能性が甚大なのだから。
 従って、同性との恋愛など考えたこともなければ考えたくもないフォルテと
しては、ランファが誤解しないような状態を何としても作り出す必要がある。
(さて、どうやったもんかねぇ・・・)
 彼女が思いついたのは以下の方法であった。
1.今すぐランファを叩き起こす。
2.服を着てからランファを叩き起こす
3.服を着てから、ランファにも服を着せて叩き起こす
4.このままランファが目を覚ますまで待つ
5.服を着てからランファが目を覚ますまで待つ
6.服を着てから、ランファにも服を着せて目を覚ますまで待つ
 この内、1と4は確実にランファが誤解するので無条件で却下した。3と6
はランファに服を着せている間に起きてしまった場合、フォロー不能であるた
め却下。残る2と5の内、フォルテが選んだのは2であった。誤解させないた
めには自分が主導権を握る必要がある、と判断したからだ。
(そうと決まれば・・・)
 隣で寝ているランファを起こさぬように、そっとベッドを抜け出すと、彼女
は周囲脱ぎ散らかされていた服を急いで身につけにかかった。
 と、同時に、極めて真剣に祈った。
(私が着終るまで、どうかこいつが起きだしませんように)
 そして、もう1つ。
(本当っに、こいつに男を作ってやってくれ)
 でないと、私が食われる。いつか、必ず。

 フォルテの祈りが通じたかどうかは・・・まさに、神のみぞ知る。

 終わり

P.S.
 フォルテが服を着ている間、ランファはというと・・・
「ちぇっ」
 薄目を開けてフォルテの行動を確認すると、小さく舌打ちした。
 さて、その舌打ちは何を意味するのやら・・・

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 コミックス版の「ギャラクシーエンジェル2nd 2.5」にあった「ラン
ファ×フォルテ」風味な短編を元に思いついたSS。
 ちなみに、とある同人誌でもあったカップリングですな。
 ・・・実は半公式設定?(んなわけあるかい)

 それでは、こんなところで。