久方ぶりの落書きです。
今回は、現在執筆中の少女義経伝のSSを・・・
ネタバレありなので、未プレイ、未クリアの方は読まない方が無難かと・・・

そんなわけで、ネタバレ改行
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「弁慶!」
 懐かしい声が頭上から矢と共に降ってきた。直後、矢が妖魔の脳天に突き刺
さった。
「ギュア!アアアアァァァァァ!!」
 矢と同じ数だけの妖魔が、断末魔の悲鳴を上げ、揺らいで消えた。
 そのおかげで少しだけ余裕の出来た弁慶は、矢の降ってきた方向を見上げる。
そこには、腰まで届く長い髪を緩やかに編んだ少女が、月を背に立っていた。
細かい表情は影になってはっきりとしなかったが、それでもその姿を見誤る事
はない。
「与一!」
「今、行くから、待っていろ」
 彼の声にそう応じると、少女−那須与一−は屋根を蹴って弁慶の元へと急ぐ。
一方の弁慶は、というとそれまでの動揺が嘘のように消え、鋭さと何より着合
いの入った攻撃を繰り出し、次々と妖魔を倒していった。
 何とも現金なことではあるが、無縁孤立を覚悟していたところに思いがけぬ
味方がくれば誰でも元気付くものだ。
 このまま2人が合流すれば、ある意味、劇的な再会となるのだが、そこで事
故が起こった。与一が着地しようとしていた地点に、弁慶が入り込んでしまっ
たのだ。やはり2年のブランクは大きいらしい。微妙に呼吸が合わなかったの
だ。
「馬鹿!弁慶、どけ!」
「え・・・うわっ!?」
 どさっ!
 弁慶がとっさに与一の身体を抱き止めたおかげで、衝突したあげく転倒する、
という事態は避ける事が出来た。だが、そのために別の問題が発生した。ちょ
うど着地しようとしていた与一の身体の、腰のあたりを抱きかかえるようにし
て受け止めたため、弁慶の顔にちょうど来てしまったのだ。与一の胸が・・・
 
「弁慶!この不埒者!さっさと離れないか!!」
「うわ・・・!ちょっと落ち着け!暴れると降ろせない!」
 真っ赤になって暴れる与一に、弁慶はよろめきながらも叫ぶ。だが、羞恥の
せいでパニック状態の彼女には聞こえない。それどころか、いつまでも放さな
い弁慶に対し、実力行使に打って出た。
「いいから・・・とっとと離れろーーー!!」
 ボコッ!!
「ーーーー!!」
 脳天に与一のひじ鉄を食らった弁慶は、痛みのあまり声も出せずにうずくま
った。おかげで自由になった与一は何とか着地して弁慶を睨みつける。が、こ
の隙に、妖魔が側まで迫っていた。
「しまっ・・・」
「なにしてんだよ、2人とも」
 小柄な人影が2人と妖魔の間に割り込んだかと思うと、呆れを込めてそう呟
く。と、同時に手にした短刀を振るって、側まで来ていた妖魔を切り伏せた。
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与一のシーンです。
どんな話かは完成してから・・・いつだろう?(^^;

それでは。