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一年間に200件以上の子育て期の女性たちの相談を受けていると、子育て環境で住む地域を選ぶ時代になると感じることがある。すでに東京では子育て環境が整っているので子育て世代の流入が増えている区があるという。 第1子出産を機会に離職した多くの女性たち −『平成18年版男女共同参画白書』の「第1子出生1年半後の就業パターン」に よると、第1子出産の1年前に有職だった女性は74.1%、その有職女性のう ち、第1子出産1年半後の離職は61.1%である− は、「仕事と子育ての両立」ではなく、地域の中で子育てしながら生きることになったともいえる。 ところが、地域での子育てを選んだはずの女性たちが、今住んでいる地域から出て行く。子育てが一段落したわけではないのに就職し、時間的に地域から離れるケースと、幼稚園に入園する前や小学校や中学校に入学する前に子育て環境のよい別の地域に引っ越すケースがある。 前者は、地域での孤立した子育てのしんどさから、自分に合うか合わないかを考える余地もなく、ただ時間的条件の合う仕事を選ぶ。そのためミスマッチから転職を繰り返すことも少なくない。後者はその時々の子育て環境を求めて引っ越す。 住む市町村も市民が選ぶ時代といわれるが、子育て世代はもっとピンポイントで地域も選ぶようになっている。ともにその地域の子育て環境が整っていないことに一因があるのではないか。 これらを彼女たちの気まぐれやわがままというのはたやすいが、地域もここに住みたいと選ばれなければ生き残れない。 地域には、地域福祉を担っている団体もある、自らの子育て環境をよくしようと活動している子育てグループもある、子育て期の女性たちの支援しているNPOもある。自分たちが次世代につないでいく地域はどのようなカタチの地域なのかを、ともに選ぶ時期かもしれない。 |